北朝鮮の横暴ぶりは以前から知られているが,ミサイル発射後に
国連で協議された議長声明後の対応は,子供じみたものだった。
まず,6ヶ国協議からの脱退を宣言し,ヨンビョンにある
核関連施設からIAEAの監視団を追い出した。それに加え北の国営放送は,
核能力を高めざるを得ないなどと,筋違いな声明を出している。
もし,発射したものがミサイルではなく,人工衛星であるなら,そのことに関して反論すればよいはずである。しかし,
核能力に言及し強い態度を示していることから,まるで発射したものが
核ミサイルだと言わんばかりであり,墓穴を掘っている感もある。
だが,それが北の狙いなのかもしれない。米政権が新しく変わり,こちらを向いてくれないことには,体制維持の保障は無い。常に米国の動向を知りたい北にとって,特定のカードを切り,それに国際社会,ひいては米国が振り向いてくれることが狙いなのだ。
北にとって,
核は先制攻撃用でないことは確かだ。そんなことをすれば,自国が滅亡することは分かっている。しかし,それらを保有していることを誇示することで,他国の攻撃を抑止し,体制維持をもくろんでいる。そのためには長距離
弾道ミサイルも必要になるわけである。
運搬能力が無ければ,
核を持っていても,自国周辺でしか使用できず,保有の効果は半減する。しかし,3000キロ以上飛ぶ
弾道ミサイルを持っていれば,極北のアラスカ周辺とはいえ,アメリカ本土も射程圏内に入る。
そうしたことで,米国を交渉のテーブルに付かせて譲歩を引き出し,
核の放棄などと引き換えに多額の援助を得ようとする算段である。瀬戸際外交などとよく揶揄されるが,おおむね成功しているため,このような強硬姿勢はしばらく続くだろう。
核やミサイルを持っていれば,他国は攻撃してこない,それに加え,
核をゴネつつ無能力化すれば,多くの見返りを得られると目論んでいる。北にとって,
核やミサイルの開発は,どちらに転んでも体制維持にとって好都合なのである。
少し前には,どうでもよくなった
核施設を米国が負担して爆破し,それに続いてテロ指定国家解除という見返りを得た。今後は何が狙いかは不明だが,不可侵条約などに言及してくるかもしれない。
米国との関係だけでなく,中国の存在も気がかりだ。今回のミサイルは,中国のものに酷似していると言われているし,
国連安保理で,強制力のある決議から,議長声明にトーンダウンさせたのも中国の影響によるものだ。
北朝鮮周辺で有事が発生し,米軍勢力が中国国境近くに来ることは,望ましくないことなのだろう。北をならずもの国家と認識しているものの,米軍が近くに駐留するよりは,北の体制を維持させたほうがいいと考えているのかもしれない。
いずれにせよ,今回の騒動がどのような方向に進むのか,新しいオバマ政権の舵取りが注目される。
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